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東京・大阪で増える勾留却下 定型の誓約書で釈放

 容疑者や被告の身柄拘束を解く裁判所による基準の緩和は、東京地検特捜部が会社法違反(特別背任)の罪で起訴した日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告(65)の保釈を機に注目が集まった。逮捕された容疑者の勾留継続を求める請求が却下される割合は近年、東京、大阪両地裁で突出している。両地裁では定型の書面で容疑者に逃亡や証拠隠滅をしないことを誓約させて釈放するスタイルが定着しており、捜査関係者は「誓約書をアリバイにして勾留すべき容疑者を釈放している」と指摘する。

 法務省の調べでは、全国の地裁で勾留請求却下率が最も高いのは東京地裁で、平成29年は9・5%。20年の2・7%から3倍以上になった。次いで多いのが大阪地裁で3・9%。26年までは1%未満で推移しており、ここ3年で3倍以上に急上昇している。

 捜査関係者によると、大阪地裁では検察側の勾留請求を却下して釈放する際、容疑者に(1)指定の住所に居住し、捜査機関などの呼び出しには必ず出頭する(2)捜査や裁判が終わるまで事件関係者らと接触しない-ことを記した定型の誓約書にチェックを入れさせ、サインさせるという。

 だが、容疑者が捜査当局の出頭要請に応じないケースは少なくない。居住先と申告していた親族に当局が確認すると、「こんなやつは引き取らない」と否定されたという。大阪府警幹部は「誓約したからといって、裏付けもなく釈放している印象だ。誓約通りにならなくても裁判官は責任を取らないし、もしかしたら守られなかったことすら知らないのではないか」と疑問を呈する。

 警視庁は今年1月、路上で声をかけた10代女性に「ナイフを持っている。刺すよ」と言ってわいせつ行為をしたとする強制わいせつ容疑で20代の男を逮捕したが、容疑を認めており、東京地裁が勾留請求を却下。警視庁はすぐに別の女性への強姦未遂容疑で再逮捕したものの、地裁はこの容疑でも勾留請求を却下した。警視庁幹部は「これほど悪質な事件でも今は勾留がつかない。任意の捜査は時間がかかる上、何より怖い思いをした被害者のショックは大きい」と嘆息する。

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