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【復興の架け橋(下)】五輪・ラグビーW杯 ギリギリの中で「夢」を誘致

 地元のレガシー(遺産)であるラグビーを通じた復興。関係者や若者を中心に誘致の輪は広がり、震災から4年後の平成27年3月、全国12カ所のW杯開催地の一つに選ばれた。市のW杯事務局に勤める川崎文則さん(48)は「W杯を通じて夢や希望、誇りを持てる街にしようという熱気が徐々に浸透した」と振り返る。

 今では市内各所にW杯の看板が掲げられ、外国人観光客の受け入れ準備も進む。チケットの売れ行きも好調で、大会ボランティアにも定員を超える応募があった。応募した市内の女性は「一生に一度の機会。震災がなければW杯が地元で開かれるなんてあり得なかったと思う」と話した。

 試合が行われるスタジアムが建設されたのは、被害が甚大だった同市鵜住居(うのすまい)町の小中学校跡地。校舎の3階部分に達した津波から児童・生徒約570人が避難し無事だった「奇跡」と、近くにあった防災センターで200人以上が犠牲になった「悲劇」が交錯する場所だ。「『これだけいい街になった』と見せることが、亡くなった人々への弔いになる」。川崎さんは表情を引き締めた。

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 釜石にとって、ラグビーW杯は復興への“触媒”になった。東京五輪は被災地に何をもたらすのか。

 被災地の復興とスポーツの影響を研究する福島大地域スポーツ政策研究所の蓮沼哲哉所長は、「開催地のほとんどは東京だが、聖火リレーや、福島市で開催される野球などの競技もある。少しでも足を運んでもらい現状を知ってもらうことが大切」とし、こう訴える。「人々を感動させ、人と人とをつなげるスポーツの魅力が五輪を機に再確認され、地域に根付いていく。五輪はゴールでなく、そのきっかけだ」

 この連載は大渡美咲、佐々木正明、福田涼太郎、内田優作が担当しました。

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