PR

ニュース 社会

ゴーン被告保釈、なぜ認められたのか 国際世論意識? 「無罪請負人」恐れ?

カルロス・ゴーン被告=平成28年10月、東京都港区(福島範和撮影)
カルロス・ゴーン被告=平成28年10月、東京都港区(福島範和撮影)

 会社法違反(特別背任)などの罪で起訴された日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告(64)の3回目の保釈請求を東京地裁が5日、認めた。1月に2度出された保釈請求を地裁は却下。争点整理など公判へ向けた準備もほとんど進んでおらず、状況に変化がない中、なぜ認めたのか。

 ■新井浩文被告も異例の「早期保釈」

 日本では被告が起訴内容を否認すれば保釈請求が却下され、起訴後も公判前整理手続きで論点が明確になるまで長期間勾留されるケースが多い。長年「人質司法」と揶揄(やゆ)されてきた手法で、受託収賄罪などで有罪が確定した鈴木宗男元衆院議員は否認を続けた結果、勾留は437日に及んだ。

 ところが東京地裁はゴーン被告の事件を機に、勾留と保釈という容疑者や被告の身柄の取り扱いに関し、明らかにこれまでとは異なる判断を続けている。

 地裁は昨年12月20日、ゴーン被告の勾留延長請求を却下し、事実上、早期の保釈を促した。ゴーン被告の側近で前代表取締役のグレゴリー・ケリー被告(62)=金融商品取引法違反罪で起訴=についても、起訴内容を否認している中で同月25日に逮捕から1カ月余りで保釈を認めた。いずれも極めて異例の判断だった。

 その4日前には、特捜部が摘発した文部科学省汚職で受託収賄罪で起訴された同省前局長が保釈された。やはり起訴内容を否認しており、公判前整理手続きの論点も整理できていない中での「早期保釈」だった。

 さらに検察当局を驚かせたのが、強制性交の罪で起訴された俳優の新井浩文被告(40)の保釈が、起訴から6日後に認められたことだ。ある検察幹部は「これまではこの罪名で起訴後すぐに保釈されることはなかった。裁判所はそのうち殺人罪の被告も保釈するのではないか」と嘆く。

 こうした異例の判断の背景について、法曹界では「国際世論を意識した」との見方が有力だ。今回の事件は国際的なカリスマ経営者が逮捕されたことで世界が注目。海外メディアから「長期勾留」「取り調べに弁護士が同席できない」といった日本の刑事司法制度に対する批判が相次いで報じられたからだ。

 裁判所内には、かねて日本の刑事司法は世界から遅れているとの考えがあり、「世界基準に合わせていくべきだ」(元裁判官)との声も出ている。実際、裁判所が保釈請求を許可する割合(保釈率)は、平成20年の14・4%から29年は31・3%と倍以上に上昇している。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ