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甘い行政判断と情報共有 大阪の4歳児虐待死初公判

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松本匠吾被告
松本匠吾被告

 大阪府箕面市で平成29年12月、筒井歩夢(あゆむ)ちゃん=当時(4)=が暴行されて死亡した事件で、傷害致死罪などに問われた、歩夢ちゃんの母親の交際相手の松本匠吾被告(25)とその友人の大倉敏弥被告(21)に対する裁判員裁判の初公判が15日、大阪地裁(大寄淳裁判長)で開かれ、2人は起訴内容を認めた。

 歩夢ちゃんが暴行され死亡した事件では、虐待の兆候があったのに大阪府箕面市が事件前、虐待のリスク評価を最高レベルから2段階引き下げていた。こうした経緯が現場の保育所に伝わっていないなどの情報共有の不足もあった。千葉県野田市立小4年の栗原心愛(みあ)さん(10)や東京都目黒区の船戸結愛(ゆあ)ちゃん=当時(5)=が死亡した事件でも、関係機関による連携不足で幼い命が奪われており、同様のケースが後を絶たない。

 箕面市や大阪府諮問の審議会作成の報告書などによると、歩夢ちゃんと弟、母親の筒井麻衣被告は平成28年8月、同府池田市から箕面市へ転入。同年6月にネグレクト(育児放棄)で児童相談所(児相)が兄弟を一時保護していた経緯などを踏まえ、市教委や児相などは同年9月、虐待のリスク評価を最も高い「生命の危機」と位置付けた。

 その後、兄弟が市立保育所へ入所したことなどを根拠に29年5月、リスク評価を2段階落とし「中度」に。だが、こうした経緯や内容は現場の保育所へ伝わらなかった。

 実際はこのころ、兄弟は保育所を休みがちだった。次第にネグレクトは悪化。保育所は8月、「保護すべき」と市へ報告したが、市は「生命の危機はない」と判断した。その後も「中度」のリスク評価に引きずられ、関係機関による家庭訪問を増やすなどの措置を取れなかった。

 府の報告書は「関係機関で引き継ぎが十分行われておらず虐待リスクの認識に開きがあった」とし、「市が保育所の危機感を受け止める役割を担えていなかった」と指摘した。

 行政間や関係機関の連携・情報共有の不足は、虐待事件が起こるたびに指摘されている。

 栗原心愛さんの事件では、家族が以前住んでいた沖縄県糸満市と転出先の野田市の間で虐待の兆候をうかがわせる情報が伝達されていなかったことが判明。船戸結愛ちゃんの虐待死事件でも、一家が転居前に暮らしていた香川県内の児相が転居を香川県警に伝えなかったために、警視庁との情報共有ができなかった。

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