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銀行強盗「割に合わず」激減 特殊詐欺に移行か

金融機関を狙った強盗事件の推移
金融機関を狙った強盗事件の推移

 国内の金融機関が被害に遭う強盗が過去最多だった平成13年の237件から、29年には26件と9分の1以下に激減していることが分かった。金融機関側の防犯態勢が整ってきたほか、検挙率が高いことも要因とみられ、犯罪心理に詳しい専門家は「割に合わない犯罪になっている」と指摘する。一方で特殊詐欺や電話で資産状況を聞き出してから襲う「アポ電強盗」など高齢者を狙った犯罪は増加傾向にあり、新たな対策が求められている。(秋山紀浩)

 警察庁のまとめによると、金融機関や郵便局を対象とした強盗事件はバブル崩壊後の不況で増加し、13年に237件の認知件数を記録した。土日や祝日などを除いた営業日でみると、ほぼ1日に1件の割合で発生していた計算になる。

 しかし、14年以降はおおむね130~140件台、20年以降は2桁台となり、29年は26件まで減った。なかでも銀行強盗は7件で26年以降は10件以下にとどまっている。

 要因として指摘されるのが、高性能な防犯カメラや非常通報装置の設置など金融機関側の防犯対策の強化だ。強盗犯の侵入を防ぐための板を受付に設けたり、特殊塗料入りのカラーボールを配備したりする金融機関も増え、事件を起こしにくくなっている。

 高い検挙率も二の足を踏ませているとみられる。警察庁の統計では、金融機関強盗の検挙率は20~29年、各年76・9~96・3%で推移している。

 大阪府警犯罪抑止戦略本部などによると、平成30年の同強盗は認知が3件、検挙2件。平成元年以降、ピークは13年で、28件の認知があった。

 堺市堺区の郵便局では平成28年5月、男がカウンターの上に液体が入ったペットボトル1本と、「ガソリン持ってます。刃物持ってます」と書かれたメモを置いて女性局員を脅迫。男性局長が金庫から取り出した現金200万円を奪う事件が発生したが、同年7月に強盗容疑で当時41歳の男が逮捕されている。

 京都府でも、22年に3件発生して以降は年間0~1件にとどまり、28年6月に京都市山科区で郵便局を狙った未遂事件が起きた後は発生していない。

 犯罪心理に詳しい東京未来大学の出口保行教授は「リスクとコストの視点から考えれば、被害者と対面する強盗事件は検挙されるリスクが高く、重い刑罰を科される可能性があるなどコストも大きい。犯罪者目線で考えれば、現代では割に合わない犯罪といえる」と指摘する。

 大手銀行も「いまも強盗対策は緊張感を持って取り組んでいるが、セキュリティーも高まり、数千万円、数億円が奪われる事件が起きていた時代は過去の話に感じる」(広報担当者)と話している。

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