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外国人違法就労に悪用…在留カード偽造拠点摘発 5千点押収 東京入管

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 在日外国人の身分証明書を偽造したとして、法務省東京入国管理局が、入管難民法違反容疑で偽造拠点とみられる埼玉県川口市内のワンルームマンションの一室を家宅捜索し、偽造された在留カードなど約5千点を押収したことが28日、分かった。東京入管は、室内にいた元留学生の中国人の男(27)を同法違反容疑で摘発し、入管施設に収容するとともに警視庁に刑事告発。偽造グループの関与があるとみて全容解明を急ぐ。

 東京入管によると、偽造拠点の摘発は全国2例目で、押収量は過去最大規模。捜索は1月11日夜に行われ、偽造の在留カードのほか角度で見え方が変わるホログラムシール、画像データが入ったノートパソコンなどを押収した。

 部屋にいた男は平成26年12月に留学生として来日。昨年5月から在留資格がなくなり、不法滞在となっていた。調べに対し、「昨年12月から千数百枚作った」と供述。会員制交流サイト(SNS)などで依頼を受けて日本各地に郵送し、「1枚当たり70元(約1100円)の報酬を受け取っていた」とも説明しているという。

 偽造されたカードは「一般の人は本物と思うレベル」(担当者)の精巧なつくりで、在留期限や就労制限がない「定住者」「永住者」のカードを多く偽造していたとみられる。押収品の中には年金手帳や健康保険証、マイナンバーカードを偽造する材料もあり、顧客には中国人だけでなくインドネシア人、ベトナム人もいたという。

   ◇   ◇    

 日本で働く外国人が増えるのに伴い、正規の在留資格を装う偽造在留カードなどの「ニーズ」も増している。違法就労に悪用されている実態があるとみられるが、手口は巧妙化している。外国人労働者の拡大を目指す改正出入国管理法が4月に施行されるのを控え、抜本的な対策が求められている。

   (今村義丈)

 ■就労制限なし

 「就労に制限のない永住者や定住者の偽造カードが人気を集めている」。入管関係者はこう打ち明ける。

 約30ある在留資格のうち大半は、「研究」「介護」「技能実習」など、働ける職種が決まっている。ただ、原則10年以上日本に居住していることなどが条件の「永住者」や、日系人などの「定住者」、日本人と結婚している人に認められる「日本人の配偶者等」といった在留資格には、職業選択に制限がない。

 在留期間が長い資格であればあるほど、携帯電話や不動産などの契約時に信用されやすくなるため、在留期限を過ぎても日本に残りたい外国人の間では、こうした偽造カードは数万円の高値で取引されているという。

 偽造在留カードを所持・販売した外国人の摘発件数は年々増加している。警察庁によると、29年は過去最多の390件。30年は半年間で291件と前年を上回るペースで推移している。

 ■SNSで取引

 正規の在留カードには名前・住所を記録したICチップが内蔵されている。偽造カードにはチップが内蔵されていないことが多いが、外国人を雇用する事業所には中小企業も多く、「偽造を見破るチップの読み取り機を設置するなどの設備負担を嫌い、導入しないところもある」(関係者)。金融機関ですら偽造を見破れず口座を開設したケースもあるという。

 在留カードには英数字12桁の固有番号が割り振られ、法務省のホームページに番号などを入力すればカードが有効か確認できる仕組みもある。ただ最近は、有効な番号が記載された偽造カードが出回っていることも多い。

 改正入管法で創設される新在留資格「特定技能1号」の在留期間は5年間だが、帰国せずに偽造カードを使った不法滞在者が増えれば、違法な外国人労働者が際限なく増えることになりかねない。法務省関係者は「偽造カードのやり取りなどはSNSなどを通じて水面下で行われており、把握は困難。ハード面から偽造対策を進めるなど、抜本的な防止体制を構築しなければならない」と話している。

      ◇

 【在留カード】3カ月以上の中長期間にわたって日本に在留する外国人に対し、法務省が発行する身分証明書。在留外国人の情報を国が一元管理するため、地方自治体が発行していた外国人登録証明書に代わって平成24年7月に導入された。顔写真付きで12桁の番号が振られており、名前や国籍、生年月日に加え、「永住者」「日本人の配偶者等」「留学」「技能実習」といった在留資格の種別や在留期限、就労制限の有無なども明記されている。銀行口座の開設や携帯電話の契約の際に、本人確認書類として使用できる。

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