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【主張】五輪招致疑惑捜査 JOCは自ら潔白証明を

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 疑惑を、あいまいなまま放置してきた、大きなツケである。これを晴らすには、自ら全てを白日の下にさらす覚悟が必要である。

 仏司法当局は2020年東京五輪招致の不正疑惑に関連し、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長に対し、贈賄容疑で捜査を開始した。国際オリンピック委員会(IOC)も調査に着手した。

 竹田会長は昨年12月、仏司法当局の聴取を受け、「贈賄にあたるような不正なことは何も行っていない」と説明したという。

 疑惑は、東京五輪招致委員会がシンガポールのコンサルタント会社と結んだ約2億3千万円の契約に贈賄の疑いがあり、資金の一部が五輪開催都市を選ぶ投票権を持つ、IOC委員だったラミン・ディアク前国際陸連会長側に渡ったとみられるものだ。

 仏検察は16年に不正疑惑の捜査開始を発表し、同年9月にはJOCが設置した調査チームが「契約に違法性はなく、IOCの倫理規定違反にも当たらない」と結論づける報告書を発表していた。

 JOCは当時、「これで疑念は払拭できた」と胸を張った。だが調査チームに強制調査権はなく、コンサル代表やディアク氏との接触はできず、高額のコンサル料の使途も特定することはできなかった。潔白の証明にはほど遠いものだったが、この報告書をもって調査は事実上、終了していた。

 五輪招致をめぐる買収疑惑に向けられた国際社会の目は厳しい。16年リオデジャネイロ五輪招致ではブラジル連邦検察が、同国五輪委会長だったカルロス・ヌズマン氏をディアク氏側に対する贈賄などの罪で起訴した。買収疑惑の矛先がディアク氏側にあるという共通点が、東京五輪招致への疑念を強めている。

 JOCは改めて、コンサル会社との契約の詳細について、その責任の所在も含めて公表すべきである。仏当局の捜査を待つばかりでは傷を深め、五輪の価値を下げるだけだろう。

 竹田会長への捜査を、特別背任罪で追起訴された日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告と関連づけて「報復」とみるのは誤りである。仏当局は、竹田会長の聴取をめぐり、ゴーン被告の事件が発覚する以前の昨秋から水面下でJOC側と調整を続けてきた。安易な陰謀史観は真実を遠ざける。

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