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【年の瀬記者ノート】リンさんが見たかった桜 千葉女児殺害事件

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六実さくら通りのソメイヨシノは平年より早く満開を迎えた=3月26日、千葉県松戸市六高台(橘川玲奈撮影)
六実さくら通りのソメイヨシノは平年より早く満開を迎えた=3月26日、千葉県松戸市六高台(橘川玲奈撮影)

 「桜を見ると心が痛い。リンちゃんは桜を見られなかったから」-。

 千葉県松戸市の小学3年生だったレェ・ティ・ニャット・リンさん=当時(9)=が同県我孫子市内で遺体で見つかってからちょうど1年がたった今年3月26日、父親のレェ・アイン・ハオさん(36)が遺体発見現場で心境を語った。

 現場には、ハオさんが設けたほこらがあり、見知らぬ人が供えたたくさんの花や菓子、ぬいぐるみなどが並んでいる。その中に、つぼみをつけた1本の桜の枝が植えてあった。ハオさんによると、「桜まつりに行けなかったリンちゃんが桜を見られるよう、誰かが植えてくれた」ものという。

 リンさんは、昨年3月24日、小学校の修了式へ登校中に連れ去られ、26日、我孫子市北新田の排水路脇で遺体で発見された。千葉県警に強制わいせつ致死や殺人などの疑いで逮捕されたのは、リンさんが通っていた小学校の保護者会長、渋谷恭正被告(47)だった。渋谷被告は事件前から通学路の見守り活動を行っており、リンさんとはハイタッチをするほどの顔見知りだった。

 6~7月には千葉地裁で渋谷被告に対する裁判員裁判が開かれ、連日傍聴した。6月4日の初公判では、リンさんの母親のグエン・ティ・グエンさん(32)の供述調書が読み上げられた。

 調書によると、リンさんが行方不明になる2日前の29年3月22日、グエンさんはリンさんの弟とともにベトナムに一時帰国した。午前6時、見送りに来たリンさんはグエンさんに「お花見しよう。桜、散っちゃうかな」とせがみ、弟には「バイバイ」と手を振ったという。これがグエンさんと弟が見た、最後のリンさんの姿となったという。

 一方、渋谷被告は一貫して無罪を主張。公判ではその様子にハオさんが怒りに身を振るわせ、衝立(ついたて)で遮蔽して傍聴していたグエンさんのすすり泣く声が法廷に響くこともあった。

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