PR

ニュース 社会

「厳格評価」「外圧意識」…勾留延長却下の理由は

Messenger

 東京地裁は20日、東京地検特捜部によるカルロス・ゴーン容疑者(64)らの勾留延長請求を退けた。勾留の要件を厳格に判断したとの見方がある一方、欧米メディアから「長期勾留」批判が高まっていたことから「外圧に屈したのか」との声も出た。

 「裁判所はこれまで特捜部の請求は認めるとされていた。今回の判断は想定外だ」

 特捜部OBの弁護士の率直な感想だ。いわゆる否認事件では、逮捕後の勾留にとどまらず、起訴後も保釈が認められず勾留が続くことが多い。今年3月のリニア中央新幹線建設工事をめぐる談合事件では、独占禁止法違反罪で起訴され、否認した大手ゼネコン2社の元幹部ら2人が今月まで約9カ月間勾留されていた。

 容疑内容は異なるが、同じホワイトカラーの経済事件で、ゴーン容疑者らも否認している。検察幹部の一人は「外国の批判を避ける狙いがあったのか」と憤りを隠せない。

 今回の事件では、欧米メディアからフランスなどの勾留手続きと比較して「長期勾留」などと日本の刑事司法制度への批判が目立った。国内の法曹関係者の間でも、再逮捕に対し「国際的な理解を得られにくい」との批判が上がっていた。ゴーン容疑者が自身の報酬を有価証券報告書に過少に記載したとする再逮捕容疑が、1回目の逮捕容疑と期間が異なるだけで、ほぼ同じ内容だったためだ。

 勾留延長の要件は「やむを得ない理由がある場合」で、事件が複雑で解明に時間がかかるケースが該当するとされている。地裁はこの許可要件を厳格に判断したともいえる。

 元検事の高井康行弁護士は「勾留延長却下は想定の範囲内だ」と指摘。「1回目の逮捕と証拠関係も共通しており、海外の批判がなくても認められなかった可能性は十分ある」とみる。元東京地検特捜部長の宗像紀夫弁護士も「ゴーン容疑者らは容疑を否認しているが事実関係は大筋で認めている。あとは法的評価の問題にすぎない」と話す。

 一方、検察関係者の中には「外圧」への疑念が噴出する。刑事事件に詳しい弁護士は「裁判所は法曹三者の中で最も世論を気にするので、今回も海外世論に影響されたのではないか」との見方を示す。

 今後の見通しについて、元東京高裁部総括判事の門野博弁護士は「弁護側から保釈が申請されれば、条件付きで保釈が認められる可能性が高い」と指摘する。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ