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【取材の現場から2018】(4)富田林署逃走事件 対応遅れ49日目に逮捕

道の駅「サザンセトとうわ」で撮影に応じる樋田淳也容疑者=山口県周防大島町(サザンセトとうわ提供)
道の駅「サザンセトとうわ」で撮影に応じる樋田淳也容疑者=山口県周防大島町(サザンセトとうわ提供)

 9月29日、山口県周南市の道の駅。売店に並ぶ食料品を万引した男が、警備員に取り押さえられた。男は激しく抵抗し名前も明かさなかったが、左足には、特徴的なウサギの入れ墨が彫られていた。大阪府警富田林署の留置場から逃走した樋田淳也被告(30)の49日に及ぶ逃走劇が終わりを告げた。

 留置場から容疑者が逃走-。富田林署に衝撃が走ったのは、8月12日午後9時40分ごろのことだった。午後7時半ごろから弁護士との接見が行われていた面会室は、仕切り板が破壊され、もぬけの殻となっていた。

 後の調べで、接見は午後8時ごろに終了していたことが判明。留置場担当の署員も、当直勤務中だった署員も、誰一人逃走に気づくことはなく、警察署からの逃走という前代未聞の事態を許した。この「空白の1時間半」が、最後まで捜査を難航させることになる。

 府警は翌13日に同署に捜査本部を設置。捜査1課を中心に連日3千人態勢で捜索を実施した。逃走直後こそ、樋田被告の足取りに関する情報は相次いだが、1週間ほどで途絶え、捜査は行き詰まりをみせた。

 府警は土地勘のある地域の空き家や空きガレージに潜伏しているとみて捜査網を張ったが、結果として大きく裏をかかれた。逃走1週間後の8月19日には神戸市のアウトレットモールに姿をみせ、自転車での旅行を装いながら西進し、中四国を転々としていた。

 バリカンで頭を丸め、デザインが公開されていた入れ墨を隠すなどして周囲の目を欺き、逮捕した道の駅の関係者も、取り押さえるまで樋田被告とは分からないままだった。

 同署では、面会室のドアの開閉を知らせるブザーの電池が常態的に抜かれていたほか、署員が留置場にスマートフォンを持ち込むなど、設備の不備や内規違反が明らかになった。

 府警はブザーを確実に作動させることや、留置施設の点検項目を細分化することなどの再発防止策を公表。当時の署幹部や署員14人を処分した。

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