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確定死刑囚初の裁判員裁判、「執行引き延ばし」の見方も

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 死刑が確定した後、別の2件の殺人事件への関与を告白し、殺人罪で起訴された指定暴力団住吉会系元会長、矢野治被告(69)の裁判員裁判が12日、東京地裁(楡井英夫裁判長)で始まる。確定死刑囚が被告となる裁判員裁判は初めて。刑法は「確定死刑囚に他の刑は執行しない」と規定しており、仮に今回の裁判で有罪となっても処遇に影響はない。「死刑執行の先延ばし目的」との見方もあるが、真相解明を求める遺族らの期待にどこまで応えられるか注目される。

 矢野被告は平成15年1月に前橋市のスナックで4人が死亡した拳銃乱射事件の首謀者として群馬県警に逮捕され、26年3月に死刑判決が確定した。

 その後、8年に不動産業の津川静夫さん=当時(60)、10年に会社役員の斎藤衛さん=当時(49)=の殺害に関与したと告白する文書を警視庁に送付。警視庁は矢野被告の供述などに基づき、神奈川県と埼玉県の山中でそれぞれの遺体を発見した。

 警視庁が逮捕に踏み切ったのは、矢野被告が事件への関与を告白しながら、その後の任意聴取に応じなくなったためだ。捜査関係者によると、現在は再び事件について自らの主張を述べており、事件への関与や告白の意図を法廷でどう語るかが焦点となる。

 刑法の規定により、2件の殺人罪で有罪となっても矢野被告の死刑囚という立場に変わりはないが、裁判が終結するまで死刑の執行はない。仮に最高裁まで争えば刑の確定まで3年程度かかる可能性もあることから、告白の目的を「死刑執行の先延ばし」とみる捜査関係者もいる。

 だが、ベテラン裁判官は「裁判では事実を認定し、どの程度の刑が相当かを裁判所が言い渡すことに意義がある」と強調。「事件発覚の経緯として前の判決に触れるかもしれないが、裁判員には個別の事件として量刑も含め判断してもらうことになるだろう」と話す。検察幹部は「すでに死刑が確定しているとはいえ、今回の事件の被害者2人には遺族がいる。裁判は粛々と行う」としている。

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