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津波対策検討会議「知らなかった」 東電元副社長が証言

福島第1原発事故に至る主な経緯
福島第1原発事故に至る主な経緯

 東京電力福島第1原発事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴された旧経営陣3被告の第31回公判が17日、東京地裁(永渕健一裁判長)で開かれ、16日に続いて元副社長の武藤栄被告(68)の被告人質問が行われた。武藤被告は津波対策を検討する会議が社内にあったことを「知らなかった」と述べた。会議は事故の約半年前から開催されており、津波対策について副社長と現場社員との温度差が露見した。

 会議は、津波高の試算を東電子会社に依頼した土木調査グループだった社員が、平成22年8月から開催したと公判で証言。一方、武藤被告はこの日、会議の存在を「知らなかった」と述べた。

 武藤被告が津波対策を保留とした後も、社員は「対策は不可避と考えていた」と証言している。

 政府の専門機関は14年、「地震津波が福島沖を含む日本海溝沿いで発生しうる」との地震予測「長期評価」を公表。東電子会社が20年3月、長期評価を基に最大15・7メートルの津波が同原発を襲うとの試算を示した。武藤被告は試算の報告を受けた後もすぐに対策に乗り出さず、土木学会に妥当性の検討を委ねた。検察官役の指定弁護士側は「対策を先送りし、漫然と原発の運転を継続した」と主張している。

 武藤被告は16日の被告人質問で、長期評価は「信頼性がない」と強調。「分からないことを専門家に確認するのはごくごく自然」と述べ、津波対策を先送りしたとする指摘には「大変心外だ」と強く否定した。

 事故をめぐっては、武藤被告のほか、元会長の勝俣恒久被告(78)と元副社長の武黒一郎被告(72)が強制起訴された。最大の争点は巨大津波を予見し、対策を取ることができたかどうか。昨年6月の初公判で3被告側は「事故の予見や回避は不可能だった」としていずれも無罪を主張した。

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