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松橋事件再審確定 証拠開示消極的な検察に警鐘

「松橋事件」で検察の特別抗告が棄却され、記者会見で笑顔を見せる三角恒弁護士(左)=12日午後、熊本市
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 有罪が確定した被告が裁判のやり直しを求める再審は、刑事訴訟法で非常救済手段として定めている。かつてはハードルの高さから「開かずの扉」と呼ばれたが、近年は重い扉が開かれるケースが相次いでいる。

 再審開始の要件は無罪にすべき明らかな証拠を新たに発見した場合とされる。再審開始の判断基準とされるのが、昭和50年に出された最高裁の「白鳥決定」だ。新旧証拠を総合的に判断した結果、「判決に合理的な疑問が生じれば足りる」と再審開始への緩やかな新基準が示された。

 今回の松橋事件では、検察が判決確定まで裁判に提出していなかった証拠が再審への突破口となった。弁護団が熊本地検の証拠物の中から、宮田浩喜さんが犯行後に「燃やした」と自白し、存在しないはずのシャツ片を見つけたことで、有罪が確定した判決の判断根拠が揺らぐことになった。

 再審請求審で熊本地裁、福岡高裁は、捜査段階の自白全体が信用できないと判断。シャツ片は、有罪とした当時の裁判に証拠提出されておらず、弁護団は「検察側は自白との矛盾が出ることを知って隠していた」と批判した。

 再審請求審には証拠開示の規定はないが、近年は裁判所が証拠開示を検察に命じる積極姿勢が目立つ。精度が向上したDNA型鑑定や、供述に対する心理学者の鑑定などが決め手になるケースも相次いでいる。最高裁決定は、検察の証拠開示の消極性と、自白に偏重した捜査に改めて強い警鐘を鳴らしたといえる。(大竹直樹)

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