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【都民の消防官(1)】殉職した先輩の遺志継ぎ火災現場へ 四谷署消防司令補・太皷弘さん(60)

訓練で隊員の指揮を執る四谷署の太皷弘消防司令補=新宿区
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 兄貴分と慕った先輩隊員が、火災現場で殉職した。それから16年。約4200件の現場を踏んだが、「火勢はいつ何時、変わるか分からない」と怖さを忘れることはない。

 平成14年5月7日、大田区京浜島の不燃ごみ処理センターで起きた火災に駆けつけた酒井俊明さん=当時(47)=は、駆け出しの頃にタッグを組んだ3年上の先輩だった。酒井さんは部下に退避命令を出した直後、全身に強烈な熱気を浴びて帰らぬ人に。現場一筋に生きた先輩の墓前で、「跡を継ぎます。見守ってください」と固く誓った。

 人命救助の最前線では、立ちこめる黒煙で視界がきかない暗闇の中へ突っ込んでいく。ライトもほとんど役に立たず、「目で見ようとすればするほど迷う」。思い切って目をつぶり、頭の中で進入経路をイメージしながら、要救助者を捜索するのが身を守るコツだ。

 出場した隊員の指揮を執る立場になってからは、「無理をするな」が口癖になった。しゃがんで火災現場に入る訓練を重ねた隊員たちも、実際の炎を前にすると、思わず立ち上がってやけどを負ってしまう。「建物の構造を把握し、それに合った的確な指示で誘導するのが役目」と隊員の安全第一を心がける。

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