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【日曜に書く】「東京水害」への備えは万全か 論説委員・井伊重之

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 現在の日本は「何十年ぶり」という異常気象が頻発する新たなステージを迎えたと厳しく認識すべきだろう。国民の生命や財産に対する脅威が確実に高まっている中で、それを守るための水害対策は決して十分とはいえない状況にある。

 例えば現在の国の治水関連予算は、1990年代に比べて半減以下の水準だ。これは整備目標が達成されて減ったのではなく、公共事業予算の配分の中で決まったものだ。一度氾濫が起きれば、甚大な被害が予想される荒川流域の整備目標の達成度は6割台、大阪の大和川流域では4割台にすぎない。

 日本人は昔から河川の氾濫に悩まされてきた。それだけ治水対策には多くの予算を費やしてきたが、海外の主要都市と比べた河川の整備比率は低く、その目標すら達成できていない。豪雨などの激甚化が進むと、河川や護岸などの整備基準の見直しも必要となる。堤防が整備されていても決壊などを防ぐための補強工事も欠かせない。

減少する治水関連予算

 水害は河川の氾濫ばかりではない。東京都は今年3月、中心気圧が910ヘクトパスカルの「スーパー台風」が関東地方に上陸した場合、東京湾に最大で6メートル近い高潮が押し寄せる可能性があるとの想定をまとめた。

 その高潮で都内17区が浸水し、その面積は200平方キロを超えると予測している。とくに墨田区や江東区などでは、浸水の深さが10メートルを超える場所もあるという。

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