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【日曜に書く】〝読み合わせ〟で泣くことしかできなかった「8・12」 論説委員・清湖口敏

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【日曜に書く】
〝読み合わせ〟で泣くことしかできなかった「8・12」 論説委員・清湖口敏

日航ジャンボ機墜落事故から12日で33年となるのを前に、「御巣鷹の尾根」の麓の神流川に灯籠を流す子どもら=11日夕、群馬県上野村 日航ジャンボ機墜落事故から12日で33年となるのを前に、「御巣鷹の尾根」の麓の神流川に灯籠を流す子どもら=11日夕、群馬県上野村

 日航機事故のときのようなつらい読み合わせは、今ではさすがに経験することもないが、新聞やテレビの日々のニュースについ涙をこぼしてしまう質(たち)は、今も変わっていない。

 東京都目黒区の5歳女児の虐待死事件では、次々と明らかになるあまりにも悲惨な実態に胸がつぶれ、泣いた。電灯も暖房もない部屋で1人寝かされ、暴行を受け、衰弱していった。ノートには「もうおねがい」「ゆるしてください」…。

 西日本豪雨でも、母の目の前で濁流が子供をさらっていくなど、悲しい報道が相次いだ。

祈りに通じる

 無理して涙をこらえるのはもうやめよう。悲しいときは悲しみの涙を流すことにしよう。所詮私たちには、悲しみに暮れ、泣くことでしか、過酷な現実を恨み、犠牲者を悼むことができないのだ。東日本大震災に寄せた、ある三行書きの歌がふと頭をよぎる。

 「遠くから/祈ることしか出来なくて/自分の弱さ 思い知る今」(高木沙弥花)。作者は当時、北海道の高校生だった。

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