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富裕層の海外口座丸見えに 税逃れ監視強化 全国に調査チーム

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富裕層の海外口座丸見えに 税逃れ監視強化 全国に調査チーム

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 ■査察現場でも苦戦

 全国の国税局が29年度に強制調査(査察)に着手した脱税事件の脱税総額は約135億円(前年度比約26億円減)で、過去40年で最も低かった。脱税で得た資金を海外口座に移す傾向も顕著になっており、調査の現場は苦戦を強いられているという。国税庁のある幹部は「海外に資産があると、調査に限界が出てくる」と打ち明ける。

 国をまたぐ個人や法人の資金の動きを探る場合、国税庁は租税条約に基づき海外の税務当局と情報を交換する。だが情報交換には数カ月かかることもある。

 野村総合研究所の推計(28年)によると、日本で金融資産を5億円以上保有する「超富裕層」は約7万世帯(保有総額75兆円)、1億円以上保有する「富裕層」は約114万世帯(同197兆円)に上る。

 海外資産調査の端緒となるのは、26年から海外に5000万円超の資産を保有する人に提出が義務づけられている「国外財産調書」だ。提出しなかったり、虚偽の記載をしたりした場合は1年以下の懲役または50万円以下の罰金という罰則もある。

 国税庁によると、28年分の調書提出は9102件、総財産額は約3兆3015億円だ。ある税理士は、提出しなければいけない人のうち、実際に提出している人は10分の1程度にとどまっているとの見方を示す。国際税務に詳しい高鳥拓也税理士も「氷山の一角だ」と指摘する。

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