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【栃木女児殺害】録音・録画での信用性判断「強い疑問」「直感的な判断になる可能性」 冷静な熟慮求める

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【栃木女児殺害】
録音・録画での信用性判断「強い疑問」「直感的な判断になる可能性」 冷静な熟慮求める

栃木女児殺害事件の控訴審判決が言い渡された東京高裁102号法廷。上段の中央は藤井敏明裁判長=3日午前、東京都千代田区の東京高裁(桐原正道撮影) 栃木女児殺害事件の控訴審判決が言い渡された東京高裁102号法廷。上段の中央は藤井敏明裁判長=3日午前、東京都千代田区の東京高裁(桐原正道撮影)

 平成17年に栃木県今市市(現日光市)の小1女児を殺害したとして、殺人罪などに問われた勝又拓哉被告(36)を1審宇都宮地裁の裁判員裁判判決に続いて無期懲役とした3日の東京高裁判決で、藤井敏明裁判長は、「供述内容が信用できるか」という自白の信用性を判断するために取り調べの録音・録画を用いることには「強い疑問がある」と述べた。「印象に基づく直感的な判断になる可能性が否定できず、取り調べ録画を使ったことが1審が判断を誤った要因の一つだ」とした。

 藤井裁判長は1審を破棄した上で「間接証拠などから、被告が殺害の犯人だと認められる」として、改めて無期懲役を言い渡した。

 1審では、検察側が取り調べ録画を、犯罪自体を立証するために調書に代わって用いる「実質証拠」として請求。地裁は、供述の信用性を判断するための「補助証拠」として録画を用いることを提案し、検察側、弁護側の了解を得た。

 録画はあくまで補助証拠で、犯罪事実の立証には供述調書を使うという位置付けだったが、藤井裁判長は「現実の心証形成は、録画を視聴することで直接的に行われる」と指摘。「裁判所から、あたかも調停案のように、録画を信用性の補助証拠とすることを提案すべき筋合いではなかった」と地裁の対応を批判した。

 その上で、録画を使った信用性判断では、「取調官に強制された供述か」「自発的な供述か」という単純な二者択一に陥り、勝又被告の自白のように「自発的だが、内容は虚偽の供述」が見落とされる危険性があると指摘。供述に秘密の暴露があるか、客観的な事実と整合するかなどを含めて多角的に検討し「自白供述から適切な距離を保って、冷静に熟慮することが肝要」とした。

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