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【環球異見・オウム死刑執行】フィガロ(フランス) 日本で死刑反対論は希薄 

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【環球異見・オウム死刑執行】
フィガロ(フランス) 日本で死刑反対論は希薄 

麻原彰晃死刑囚らの刑が執行された東京拘置所の前に集まった報道関係者ら=6日、東京都葛飾区(ロイター) 麻原彰晃死刑囚らの刑が執行された東京拘置所の前に集まった報道関係者ら=6日、東京都葛飾区(ロイター)

 7日付の仏紙フィガロは、日本は7人の死刑執行により、「ページをめくり、時代を変えようとした」と評した。事件の全貌がいまだ解明されない中、皇太子の新天皇即位で来年5月に元号が変わるため、過去に区切りを付けて新時代を迎えようとしていると指摘した。

 同紙は、オウム真理教による一連の事件を振り返り、「阪神大震災後に起きた(地下鉄サリン)事件で、日本はトラウマ状態になった。当初は国中が恐怖に陥った。主な犯人が逮捕されると、教団を長年のさばらせてきた政治、司法、宗教界の機能不全に国中があぜんとした」と記した。

 さらに、7人死刑の衝撃が広がる一方、日本では死刑廃止論議が高まらないことへの驚きを記した。欧州連合(EU)加盟国は日本に死刑廃止を求めているが、「日本では死刑反対論は希薄。とりわけオウム真理教事件では皆無といえる」と報じた。駐日EU代表部が7人死刑を受けて発表した死刑批判の声明も、「インターネット上で罵詈雑言を浴びるだけ」だと伝えた。

 仏紙レゼコー(電子版)は6日、オウム真理教事件が日本に与えた歴史的な衝撃を報じた。「日本人は戦後、比較的平穏で調和のとれた社会に生きることに慣れてきた。だが、この事件によって突然、内なる謎の脅威がもたらす不安と恐怖にさらされた。事件から23年たっても、この宗教団体の実体と、彼らがテロに走った真の動機を問い続けている」と評した。

 同紙もフィガロ紙と同様、日本で死刑廃止論は支持を得られていないと指摘した。「日本は産業化の進んだ民主国家でありながら、米国とともに死刑制度を維持し、国際人権団体に批判されてきた。特に日本は、死刑囚を長期間独房に閉じ込め、執行の数時間前に当人に通知するやり方をとっており、とりわけ残忍だという指摘がある。だが、世論は常に死刑を支持し、廃止論議は高まらない」と伝えた。(パリ 三井美奈)

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