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【米朝首脳会談】それでもショーは続く 執行役員東京編集局長 乾正人

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【米朝首脳会談】
それでもショーは続く 執行役員東京編集局長 乾正人

 共同声明の署名を終え、トランプ米大統領(右)の背中に手をやる北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長=12日、シンガポール(ロイター)  共同声明の署名を終え、トランプ米大統領(右)の背中に手をやる北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長=12日、シンガポール(ロイター)

 政治はショーである。

 古代ローマでは、声と身ぶり手ぶりで聴衆を陶酔させた雄弁家が、リーダーとなった。ヒトラーは、ナチス党員による幻想的なたいまつ行列と女性映画監督リーフェンシュタールの才気あふれる映像美とでドイツ国民を掌握した。ケネディはテレビ討論でのショーアップの仕方を徹底的に研究してニクソンを圧倒した。

 米朝首脳会談は、トランプを大統領に押し上げる原動力となったリアリティー番組(予知不能な現実に素人が直面するさまを描く番組)そのものだった。

 舞台はエキゾチックなシンガポール、相手役に謎に包まれた大物三代目を迎え、会談開始をテレビのゴールデンタイム(米東部時間)にあわせた。もちろん、「(会談は)どうなるかわからない」などと、ツイッターをフル活用して前評判をあおりにあおった。

 リアリティー番組にやらせと演出はつきものだ。会談は米朝の事前協議通り進み、発表された共同声明に中身がないのもショーだと割り切れば、納得がいく。2人が握手する映像は、プロパガンダ(宣伝)よろしくNHKでも民放でも何度も繰り返し流されたが、それを見ていると、はるか昔にテレビで見た“ショー”を突然思い出した。

 異種格闘技世界一を競ったアントニオ猪木とモハメド・アリの一戦である。

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