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強制不妊手術、きょう一斉提訴 国の政策…「人生返して」

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強制不妊手術、きょう一斉提訴 国の政策…「人生返して」

妻の命日に仏壇に手を合わせ、旧優生保護法の訴訟について報告する原告男性=東京都内(加藤園子撮影) 妻の命日に仏壇に手を合わせ、旧優生保護法の訴訟について報告する原告男性=東京都内(加藤園子撮影)

 「なんで手術を受けさせられたんだろう」。術後約2週間は下腹部がひどく痛んで歩けなかった。正式な説明はなかったが、元の体に戻らないことは感づいていた。手術は施設や親が独自に受けさせたものだと思い、信頼していた大人に裏切られたと傷ついた。

 独身で生きようと決めていたところ、縁談が持ち上がった。一緒に暮らすうちに妻に愛着がわき、打ち明けられなくなった。「話せば別れは確実だと思った」。子供を授からず、不思議がる妻を適当な言葉でごまかした。妻の親族にも「なんで子供ができないの?」と聞かれ、知人の女児を喜んであやす妻の姿からは思わず目を背けた。

 ようやく打ち明けたのは平成25年5月13日。白血病で余命わずかと宣告された妻と病室で2人きりになったときだ。静かにうなずいた妻は「それよりもご飯をちゃんと食べてね」と告げ、数十分後に息を引き取った。

 今も「妻は自分と結婚して幸せだったか」と自問する。手術が旧法下の国の政策だったと知り、「人生を返してほしい」との思いが強まった。

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