PR

ニュース 社会

【東日本大震災7年】「親の自分が前に歩み出したらこの子だけが取り残される」 わが子の生きていた過去に身をとどめる

震災から7年目を迎える陸前高田市の「奇跡の一本松」(左)。広田湾に面する海際には、巨大な防潮堤が築かれている=10日午後、岩手県(川村寧撮影)
Messenger

 ある被災地に1人のお母さんがいる。

 東日本大震災で幼い子を亡くした。遺体は見つからず、行方不明のままになっている。

 お母さんは今も死亡届を出していない。

 うっかりではない。確たる意思に基づく。自らの手で死亡を確定させることをしない。

 死亡が確定すれば子なら250万円の災害弔慰金を受け取れる。お母さんはその権利も放棄していると聞く。

 〈不在者の生死が7年間明らかでないときは家庭裁判所は利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができる〉

 民法は7年間行方不明なら死亡と見なす失踪宣告の規定を設けている。

 7年という年月は一般社会なら法的に人の死と認める目安になっている。しかも、戦争、船舶の沈没、災害などの特別な場合は1年で失踪宣告を受けられ、多くの震災遺族はこの規定に基づいて身内の死を確定させた。

 2539人。

 震災の行方不明者の数だ。

 津波災害は他の自然災害に比べて圧倒的に行方不明者が多い。遺体が手元に帰らず、遺族はいつまでも踏ん切りをつけられない。津波災害は自然災害の中で「最も引きずる」といわれる。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ