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【東日本大震災7年】岐路に立つ無言の語り部 震災遺構、解体か保存かゴール見えず

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 東日本大震災の記憶を伝えようと、宮城、岩手両県では、児童・教職員計84人が犠牲になった大川小(宮城県石巻市)や、押し寄せた津波で1、2階が骨組みだけになったたろう観光ホテル(岩手県宮古市)といった被災施設を遺構とする取り組みが進む。ただ、公金を投じる性質上、公認の遺構は公共施設が中心で、民間施設の遺構化には困難が伴う。住民の合意形成も容易ではない。被災の象徴をこの先どうしていくのか、7年たっても簡単に答えは出ていない。

 岩手県大槌町の旧役場庁舎では、津波で町長ら38人が犠牲となった。町は平成24年、議論の場として識者や遺族からなる検討委員会を設置したが、解体か保存か結論に至らず、25年、玄関などの一部保存を決めた。だが27年の町長選で解体を公約に掲げた平野公三町長が当選。解体を表明したことで議論が再燃した。

 同町の会社員女性(48)は「被災の痕跡を見たくない。町の中心部にあり、復興の遅れの象徴のように見えてしまう」と解体方針に違和感は持たない。

 一方、被災者の気持ちも年月とともに変わる。同町吉祥寺の高橋英悟住職(45)は「『見るだけでつらい』という思いは承知しているが、二者択一の答えが出る問題ではない。未来に向けて子や孫に何を伝えるかが大事だ」と話す。一部の住民は2月、拙速な決断を避けてほしいと、町議会などに求めたが、3月の定例会に解体関連の予算案が提出され、採決される見通しとなっている。

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