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「ブラック中のブラック業界」損失を取り返したい気にさせた悪質業者 先物取引市場凋落のワケ
「電話帳を見ながら1日700件ほど電話する。だいたい3、4件アポが取れる。アポを取って訪問した相手には『このとき買っておけば、これだけもうかった』などと金銭欲を刺激する。迷う顧客には(信用があると受け止められる)上司と電話をつないで説得する。『貴金属と穀物、どちらが良いですか』と2択を提示することで“取引しない”という選択肢を選ばせない。そうした心理学を活用した営業手法がマニュアル化されていた」
相手からは「そんなにおいしい話なら、なぜ自分でやらないのか」といぶかしがられることも多かったというが、その際は「自分でも当然もうけている」「営業マンは取引ができない」「皆さんが馬券を買う人なら、私はジョッキーになりたい」-などと答えていたという。
男性は「個人的には、顧客に損失を与えても動じない“機械”のような人間しか続けられないブラック中のブラック業界だった。市場縮小は、顧客を無視して自らの利益のみを追求した結果で、当然ではないか」と切り捨てた。
各種指標が急速悪化-ネットで悪評広まる
実際、先物取引市場は急速に凋落している。