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【震災真論・深論】我が家はイノシシに荒らされた 福島・浪江町の帰還困難区域 帰る望み捨てていないが…

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【震災真論・深論】
我が家はイノシシに荒らされた 福島・浪江町の帰還困難区域 帰る望み捨てていないが…

一時帰宅した武藤晴男さん。イノシシに荒らされた室内の惨状を目の当たりにし、途方に暮れる=13日、福島県浪江町(桐山弘太撮影) 一時帰宅した武藤晴男さん。イノシシに荒らされた室内の惨状を目の当たりにし、途方に暮れる=13日、福島県浪江町(桐山弘太撮影)

 湯沸かしポットが床に倒れている。炊飯器も。食器のラックも。家中の家財道具が散乱し、足の踏み場がない。

 冷蔵庫の扉が半開きになっている。中は空っぽだ。

 障子は横倒し。こたつは脚が折れている。

 イノシシの仕業だ。

 勝手口のガラスを破って入り込んだ。長い間留守にしているのをいいことに好き放題荒らされた。

 福島県浪江町津島地区。東京電力福島第1原発事故で帰還困難区域に指定されている。

 武藤晴男さん(60)は一時帰宅した。

 畳が黒ずんでいる。歩くとめりこむ。雨漏りで腐った。

 異臭が鼻につく。かび? 獣の糞(ふん)? 多分両方だ。

 素足では歩けない。スリッパでも。我が家に土足で上がる不条理を味わう。

 居間にカレンダーが下がっている。平成23年3月からめくられていない。カレンダーが日を刻むのをやめた年月は避難生活の長さに一致する。

 帰還困難区域は3区分の避難区域の中で最も放射線量が高く、今も避難指示が解けない。

 福島県郡山市に避難している。3年前、新しい住まいを構えた。

 帰りたい望みは捨てていない。だが、避難解除の見通しは立たず、帰還の選択肢は事実上封じられている。

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