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かけ子・受け子・シナリオ「全部オレ」 “劇場ひとり”と呼ばれた男、前橋地裁で初公判 被害額8千万円超の手口と背景

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かけ子・受け子・シナリオ「全部オレ」 “劇場ひとり”と呼ばれた男、前橋地裁で初公判 被害額8千万円超の手口と背景

 つまり、本多被告は当初、役員Bをだまして金を巻き上げ、Aさんが資金源になっていることをかぎつけると、新たなシナリオを考えだし、だましにかかったのだ。被害者から新たな被害者をたぐり寄せる犯行の連鎖に、県警の捜査関係者は「余罪はまだあり、被害総額の特定には至っていない」と話す。

 Aさんが残したメモによると、役員Bを通じてAさんが「セキネ」に現金を渡したのは、昨年8月から11月25日までの計49回、総額約1700万円にのぼる。国税局に保管しているとした4500万円は被害額を暗に示し、返却をささやかれたAさんは信じたとみられる。

 本多被告は奪った金を生活費や競艇代につぎ込み使い果たしており、Aさんは県警や前橋地検から「(金は)戻ってこないと言われた」という。本多被告についてAさんは「1人で何役もやって…。人間関係の深いところまで入りこんできた」と言葉少なに語った。

別人と疑われ着想

 会社を経営していた本多被告が別人を演じ単独で特殊詐欺を行う手法を思いついたのは、のどを痛めたことがきっかけだった。

 会社の運営資金に困窮した平成20年ごろから、知人女性に借金を重ね、その後、別の男性を紹介された際、何度目かの電話口で、たまたまのどを痛め、かすれた声で話すと、「お前、別人だろう?」と何度も強く疑われた。このとき、別人になりすますことを思いつき、「本多努は死んだことにしよう」「国税職員を名乗ろう」。単独で犯行を重ね、Aさんにたどり着いた。

 6月23日に行われた前橋地裁の初公判で、本多被告は直立不動で裁判官に一礼、罪状認否を問われる前に「間違いありません」と、はっきりした口調で答えた。

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