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【電通女性社員過労自殺】異例の“国策”捜査 検察立証に壁 個人全て不起訴処分

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【電通女性社員過労自殺】
異例の“国策”捜査 検察立証に壁 個人全て不起訴処分

電通本社ビル=東京都港区 電通本社ビル=東京都港区

 厚労省はいずれも、個人の起訴を求める「厳重処分」の意見を付けて書類送検している。しかし、検察幹部は「単に出社・退社時間をもって起訴することは難しい」と指摘する。

 工場や飲食店などの従業員であれば、出退勤記録から労働時間を認定しやすいが、事務職やクリエーターなどの「ホワイトカラー」の場合、実稼働時間の精査が求められる。別の検察幹部は「残業が会社の指揮監督下にあり、会社のための業務であったかどうか。起訴の判断はそうした証拠が必要になる」と語る。

 電通では、取引先などを呼んで接待する「部会」と称した飲み会が定期的に実施され、新入社員が幹事となっていた。終わっても反省会が開かれ、午前4時ごろまで先輩から「説教」を受けることもあったという。こうした時間を「残業」と規定した上で、さらに上司の関与を立証するのは困難だ。

 しかし、電通はこれまで何度も是正勧告を受けていて悪質性が際立っており、他企業の送検事案とは異なる“一罰百戒”の性質を持つ。「個人犯罪」まで及ぶかどうか、今後の検察の判断が注目される。(天野健作、大竹直樹)

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