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【栃木スキー場雪崩】
無謀な強行判断 歩行訓練が雪崩誘発か
栃木県那須町湯本で27日、8人が死亡した雪崩。低気圧の接近、短時間で大量に降る雪、営業を終了したスキー場、と事故が起きやすい条件がそろった中で高校生の春山登山講習は“強行”された。当初の登山訓練を中止して切り替えられたラッセル訓練が雪崩を誘発した可能性もあり、主催者側の無謀な判断が悲劇を生んだとみられる。
「(登山経験の)ベテランの先生方が状況を把握して、的確な判断のもとにやったと思う」
講習会を主催した栃木県高体連の橋本健一会長は同日夜、県庁で開いた会見で判断は適切だったとの考えを強調した。ただ、その理由を問われると「詳細は分からない」「先生はベテランだった」などと、現場に責任を転嫁しているとも受け取れる説明を繰り返した。
雪崩のリスクを下げる活動を行う日本雪崩ネットワークの出川あずささんは「営業していないスキー場はただの雪山。勾配がある斜面に積雪があれば、雪崩はどこでも起こりうる」と指摘する。