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大家約20人が捜査協力拒絶…特殊詐欺アジト摘発、警視庁捜査難航「抜本的な対策が必要」

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大家約20人が捜査協力拒絶…特殊詐欺アジト摘発、警視庁捜査難航「抜本的な対策が必要」

 特殊詐欺グループにアジトを提供していた不動産業者らが摘発された事件で、アジトの大家約20人が警視庁捜査2課の協力要請を断り、刑事告訴をしなかったことが14日、捜査関係者への取材で分かった。不動産業者の摘発には大家の告訴が不可欠だが、家賃が払われていたことなどから、告訴のメリットがないと判断したとみられる。特殊詐欺のアジトの摘発は年間数十件に上るが、不動産業者の摘発はわずかとなっており、捜査幹部は「不動産業者の摘発に抜本的な対策が必要だ」と話している。

 多数の大家の捜査協力拒否は捜査2課が今年8月、特殊詐欺グループに提供したアジトを別人名義で契約させたとして、詐欺容疑で摘発した不動産業者らの捜査で判明した。

 不動産業者の摘発には、大家側が「嘘の賃借人名義で契約された」として、不動産業者らを詐欺罪で刑事告訴する必要があるが、相次いで拒否された。

 その後の捜査で、不動産業者らは10年以上前から1千件以上のアジトを特殊詐欺グループなどに提供していたことが判明したが、刑事告訴に至ったのは2人だけだった。

 捜査2課は、この2人の告訴を受けて不動産業者のグループを捜査。特殊詐欺に使われることを知ってアジトを提供した特殊詐欺の共犯で、不動産業者の立件を検討したが、他人名義で不動産契約した詐欺容疑での立件にとどまった。

 特殊詐欺をめぐっては昨年9月、改正都安全・安心まちづくり条例の施行で、賃貸契約に、アジト使用時に契約を解除できる特約を盛り込むことが定められたが、刑事告訴などにはほとんど結びついていないのが実態という。

 捜査幹部は「多数の特殊詐欺を可能にした不動産業者だが、特殊詐欺グループの末端よりも軽い刑にしか問えないのが実情だ」としている。

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