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「暴力団トップにも責任」詐欺型犯罪で初認定 聴覚障害ある組員が聴覚障害者27人を手話で脅した詐欺事件

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「暴力団トップにも責任」詐欺型犯罪で初認定 聴覚障害ある組員が聴覚障害者27人を手話で脅した詐欺事件

 指定暴力団極東会系組員に金銭をだまし取られるなどしたとして、聴覚障害者27人が組員の男や極東会の実質的トップ、曹圭化元会長(88)らに計約2億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、東京地裁であった。山田真紀裁判長は「曹元会長にも暴対法上の使用者責任があった」と判断し、請求額のほぼ全額を認めた。原告側弁護団によると、詐欺型の犯罪で暴力団トップの責任が認められたのは初めてとみられる。

 暴力団トップの使用者責任をめぐっては、平成20年の暴対法改正で「傘下組員が暴力団の威力を利用し、他人の生命や身体、財産に損害を与えた場合、代表者にも賠償責任が生じる」と新たに規定。原告側弁護団によると、この規定に基づいて暴力団トップに賠償を求めた訴訟は複数あるが、和解で決着することが大半で、今回の判決はこの規定が適用された初の事例とみられるという。このほか、指定暴力団山口組系組員が警察官を誤射した事件で、最高裁が16年、民法の規定に基づきトップの責任を認めた事例がある。

 判決などによると、極東会系組員の男は自身も聴覚障害者で、20~22年ごろ、原告らを手話やメールで脅したりだましたりし、約1億7600万円の金銭を集めた。金銭は上納金として同組や曹元会長側らに渡っており、曹元会長にも暴対法上の使用者責任があったとした。

 判決後に東京都内で会見した原告側弁護団は「詐欺型犯罪でもトップの使用者責任が認められたことで、犯罪の抑止力が働くことが期待できる」と評価した。

 暴力団による詐欺型犯罪をめぐっては、指定暴力団住吉会系組員らが関与する詐欺グループに金銭をだまし取られたとして、被害者らが住吉会総裁ら最高幹部7人に賠償を求める訴えを東京地裁に起こしている。

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