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【産経抄】領収書をのぞけば世相が見える…富山市議会の政務活動費不正取得 9月18日

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【産経抄】
領収書をのぞけば世相が見える…富山市議会の政務活動費不正取得 9月18日

 永井荷風は、文筆活動を「道楽」と捉えていたらしい。その心を読み解くカギがある。〈定価金壱(いち)円。部数壱千五百部。印税率 定価ノ壱割弐(に)分〉。大正3(1914)年春に出された作品集の印税領収書にある。

 ▼発行部数が示すように、左うちわを決め込むには首筋に寒いものを覚えたのだろう。「印税から得る所の報酬のみで生活すると云(い)ふ事は頗(すこぶ)る不安」と荷風が書いている(『〈著者〉の出版史』森話社)。領収書も見方によっては、昔の世相を垣間見る小窓になる。

 ▼富山市議会の汚れた「小窓」からは時ならぬ木枯らしが吹き込んでいる。発注していない市政報告書の印刷代、20万円もの茶菓子代などをかたった偽の領収書を、議員が粗製乱造していた。政務活動費の不正取得は総額2千万円を超え、すでに3人が辞職している。

 ▼議員報酬を月10万円増の70万円とする条例を、6月に可決したばかりである。中核市では最高額で、市民の批判がかまびすしい。報酬のみでは「頗る不安」だったわけでもあるまい。この連休明けにはさらに数人が辞める見通しで、補欠選挙は避けられないという。

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