産経ニュース

【台風10号】岩泉町に危険性伝えず 岩手県、浸水想定域指定見送りで 

ニュース 社会

記事詳細

更新

【台風10号】
岩泉町に危険性伝えず 岩手県、浸水想定域指定見送りで 

安家川に架かる橋に積み上がった流木を越えて作業に向かう住民ら=1日、岩手県岩泉町の安家地区 安家川に架かる橋に積み上がった流木を越えて作業に向かう住民ら=1日、岩手県岩泉町の安家地区

 このとき、県は調査を行っていたこと自体も町に伝えていなかったという。担当者は「通常、市町村には決定時にだけ伝えている。特に伝えることはしていない」と説明するが、町に伝わっていれば浸水想定図に反映された可能性もある。

 また、浸水想定区域に指定されれば区域内の高齢者施設には避難計画を作成する努力義務が生じる。町では発生日朝、高齢者らに避難を促す「避難準備情報」が出されたが、「楽ん楽ん」施設は避難マニュアルがなく、運営法人の佐藤弘明常務理事は「避難準備情報の意味を把握していなかった」と話す。

 小本川をめぐっては23年9月、大雨による氾濫で「楽ん楽ん」や周辺の工場などで床下浸水が発生した。県は今年、小本川の川幅を広げたり、川底を下げたりする改修工事を計画していたという。県は危険性を把握しながら浸水想定区域の指定を見送っていたことになる。

 国土交通省によると、指定のための調査対象河川は全国約2万河川あり、うち指定済みは昨年3月時点で国、都道府県合わせて1932河川。指定には測量やシミュレーション計算を行う必要があり、作業に1、2年かかるという。国交省の担当者は「一度に進められるものではなく、洪水発生状況や人口の集中度合いから優先順位を決めて進めているのが現状ではないか」と説明した。

「ニュース」のランキング