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【北海道・岩手大雨】「避難遅れた」 夕闇の急流、猛威 災害弱者どう守る

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【北海道・岩手大雨】
「避難遅れた」 夕闇の急流、猛威 災害弱者どう守る

 「午後3~4時ごろの段階で避難させるべきだった。判断を誤った」。佐藤氏はこう述べ、「全ては私の責任。9人を助けられず大変申し訳ない」と沈痛な表情で陳謝した。

 福島市でグループホームを運営する会社の鈴木洋子社長は「自力避難できない高齢者を限られた職員で避難させるのは難しい。職員が近くに住み、すぐ駆けつけられるような日頃の準備が必要だ」と指摘する。

 厚生労働省や日本認知症グループホーム協会は、事業者に避難マニュアル策定や訓練の実施を求めているが、「災害への備えをどこまで進めるかは、事業主の判断に任されているのが実態」(同協会)という。

 状況が明らかになった31日午後、肩を震わせ、タオルで顔を覆った3人の親子連れがホームを訪れた。入所していた女性(78)の家族とみられ、遺体と対面し、変わり果てた姿にうつむいていた。

 ホームに隣接する施設で働く妻を捜しにバイクで駆け付けた佐藤明さん(60)=同町三本松=は「9人が亡くなったとニュースを聞いてきた。大丈夫だと思うが連絡がつかなくて…」と表情を曇らせた。

 岩泉町の伊達勝身町長は31日、「避難指示を出す準備を進めていたが、いつ出そう、いつ出そうとやっているうちに(被害情報への)対応に追われ、出せなくなった」と述べ、「指示を出していたら助かったかもしれない」と対応の遅れを悔やんだ。

 職員の1人は「町全体が津波に襲われたようで、何もできなかった」と振り返った。

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