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蔓延する覚醒剤、供給過多か 押収量減ったが末端価格は変わらず

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蔓延する覚醒剤、供給過多か 押収量減ったが末端価格は変わらず

 国内の覚醒剤の流通量が供給過多になっていることが危惧されている。警察当局による近年の押収量は平成25年の約831キロ(末端価格約582億円)をピークに減少傾向だが、末端価格は数年にわたり約7万円で変化はなく、大量供給で買い手市場になっていると推測され、警察当局は危機感を募らせている。

 ■変わらぬ末端価格

 警察庁によると、25年は統計の残る昭和31年以降で過去3番目の押収量。その後、平成26年は約487キロ(同約340億円)、27年は約429キロ(同約300億円)と減っている。

 21年以降の1グラム当たりの末端価格は同年は約9万円で22~23年は約8万円、24年以降は約7万円と下落。25年は警察当局が大量押収で流通を阻止したが、末端価格は変わらなかった。

 警察庁幹部は「末端価格の下落は覚醒剤が国内で大量に流通し、需要に対して供給過多であることが伺える」と懸念する。

 ■暴力団の台所事情

 大量供給の背景には、大半に関与しているとされる暴力団の台所事情が大きく影響しているという。

 4年に施行された暴力団対策法に加え、23年10月までに全国で整備された「暴力団排除条例が大きい」(暴力団幹部)。暴排条例は一般市民に対して暴力団への利益提供などを規制しているため、用心棒代の徴収や企業の経済活動への関与がなくなったという。

 このため、暴力団幹部は「どこの組織も表向きはシャブ(覚醒剤)はご法度だが、実際は最も太いシノギ(資金源)だ」と明かす。

 暴力団関係者らの覚醒剤の仕入れ値は1キロ当たり800~900万円とされている。24年以降の末端価格は1グラム当たり約7万円のため、1キロを全て売りさばけば売り上げは約7千万円と莫大(ばくだい)な利益となる。

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