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【テロを防げ サミット警備の精鋭部隊(上)】
空からの脅威を迎撃する無人航空機対処部隊(IDT)の実力は?
不審の芽つむ各国と連携・特命ユニット
テロ抑止には、警備だけでなく、海外情報機関との連携など情報収集活動も要諦だ。2020年の東京五輪も見据え、国内外で日本を狙う不審な兆候がないか情報収集が加速している。
サミットでは存在感の誇示を狙った組織的テロや妨害行為などが懸念される。人質の日本人を殺害したイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)は日本など参加各国を標的と名指し。警察幹部は「情勢を的確に把握・分析し、テロの芽を摘む取り組みに全力を入れている」と話す。
ただ、パリやブリュッセルで発生した大規模テロは厳戒態勢下で発生し、テロの国際ネットワークが拡大。ISの邦人殺害事件を契機に日本は外務省や警察庁などから人材を集め「国際テロ情報収集ユニット」を発足。テロ関連情報の収集能力を強化している。
一方、警察当局などが対策に頭を悩ませるのが組織性がなく、社会に潜在して突然暴発する一匹おおかみ型の「ローンウルフ」だ。各国の情報当局などと連携し、危険人物の出入国を防ぐ水際対策も進めているが、国内外のローンウルフ対策も焦点となっている。
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伊勢志摩サミットに向け、主会場の三重をはじめ日本各地で厳戒態勢が敷かれている。海外で大規模テロが相次ぎ、ドローンなど先端技術を悪用した妨害も懸念される中、警備に臨む精鋭部隊の実情を追った。