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【栃木・今市女児殺害】
“もろ刃の剣”の取り調べ録音・録画 可視化時代の審理への課題に
ハードルを越えるために地裁判決がよりどころとしたのが、自白だ。裁判員らは7時間超に及ぶ取り調べの録音・録画の再生にも向き合った。「被告が処罰について強い関心を示していた」「自白すべきか否かについて逡巡(しゅんじゅん)、葛藤している様子がうかがえる」。被告の供述態度をつぶさに検討した判決からは、録音・録画が検察側立証の武器となったことが読み取れた。
一方で、映像を長時間再生する審理が裁判員に及ぼす影響や、負担を懸念する声もある。“もろ刃の剣”ともなり得る録音・録画をどう活用するのか。可視化時代の審理への課題を投げかけている。(豊嶋茉莉)