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【東日本大震災5年】父失い兄不明…でも「私ばかり悲しんでいられない」 岩手県田野畑村 畠山香さん(48)

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【東日本大震災5年】
父失い兄不明…でも「私ばかり悲しんでいられない」 岩手県田野畑村 畠山香さん(48)

東日本大震災の犠牲者を悼み、村の未来に思いを込めて風船を放つ遺族代表の畠山香さん=11日、岩手県田野畑村 東日本大震災の犠牲者を悼み、村の未来に思いを込めて風船を放つ遺族代表の畠山香さん=11日、岩手県田野畑村

 遠洋イカ釣り漁船に乗っていた義雄さん。1年のうち、数カ月しか家にいない父だった。「嫁にいくのかよお」。畠山さんの結婚が決まり、船の上から泣きながら電話をかけてきた記憶がよみがえってきた。

 まだ見つからない誠さんには、写真を眺めて「まだ帰りたい気分じゃないのね。私が頑張るから、気が済むまでふらふらしていていいわよ」と語りかけるのが日課だ。でも、必ずどこかで見守ってくれていると信じている。

 昨年、実家があった場所には村のコミュニティーセンターが完成。最近は戻る場所がなくなったさみしさに加え、高台移転で住民同士の交流が少なくなったように感じている。

 震災直後は、住民みんなが同じ方向を向いていた。

 「絆や、お互いを思いやる優しさを大切にできれば、これからも前を向いて歩き続けられる」。5年をきっかけに、もう一度あのころの気持ちを取り戻したい。そう願っている。(石井那納子)

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