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【福島第1原発事故 5年目の真実(3)】「犠牲覚悟」極秘の石棺作戦 政府はパフォーマンスのみ 陸自が模索

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【福島第1原発事故 5年目の真実(3)】
「犠牲覚悟」極秘の石棺作戦 政府はパフォーマンスのみ 陸自が模索

参院決算委員会の最中に東日本大震災が発生し、机の下にもぐる速記者ら。菅直人首相(当時)も驚いて周りを見渡した =平成23年3月11日(矢島康弘撮影) 参院決算委員会の最中に東日本大震災が発生し、机の下にもぐる速記者ら。菅直人首相(当時)も驚いて周りを見渡した =平成23年3月11日(矢島康弘撮影)

 半径170キロの住民は強制移転区域、東京都を含む半径250キロは避難、避難住民は3千万人以上となる-。内閣府原子力委員会の近藤駿介委員長が個人的に作成し、3月25日に政府に提出した「福島第1原子力発電所の不測事態シナリオの素描」では、首都圏の壊滅もありうるという最悪の事態が想定されていた。

 にもかかわらず当時の菅直人政権は、その危機的な状況を国民に一切開示することはなかった。危機管理のプロフェッショナルである自衛隊にも4日間も伝えていなかった。

 枝野幸男官房長官は1、3号機爆発後も、「直ちに人体や健康に影響を及ぼすことはない」と繰り返し、危機をひた隠しにしていた。

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 一方、菅首相はパフォーマンスに躍起になった。12日午前7時すぎ、福島第1原発をヘリで訪れ視察。その後も自ら現場に直接電話をかけ、指示を飛ばした。

 この間、全電源を喪失した福島第1原発の状況は刻一刻と深刻さを増していた。

 原発事故に関する政府の事故調査・検証委員会が後にまとめた最終報告書は、当時の菅政権の行動を次のように結論づけている。「介入は現場を混乱させ、重要判断の機会を失し、判断を誤る結果を生むことにつながりかねず、弊害のほうが大きい」

 火箱氏は不測の事態が起こった場合、陸自きっての精鋭落下傘部隊、第1空挺(くうてい)団(千葉県船橋市)を石棺化作戦に投入しようと考えていた。また、自衛隊は2号機の屋上に降り立ち、建屋内に入って原子炉に対し、ホウ酸を直接まく作戦も検討していた

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