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【にっぽん再構築(2)】高い防潮堤 何を守る 海も生活再建も…姿見えず

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【にっぽん再構築(2)】
高い防潮堤 何を守る 海も生活再建も…姿見えず

野々島で県側が計画する防潮堤の高さ(左)と、住民側が求める高さ(右)を示した構造物。遠藤勝さんは「県の高さだと外の景色が見えなくなる」と訴える=宮城県塩釜市(高久清史撮影)

 魚市場などを見下ろすようにして高さ10・4メートルの防潮堤が120メートルにわたってそびえる。岩手県宮古市の鍬ケ崎(くわがさき)地区。電器店を営む島崎秀男さん(69)は、「こんなに高い壁が必要あったのか。これで6億5千万円だって」とこぼした。

 隣接する日立浜町地区と合わせて総延長1・6キロの防潮堤を整備する事業が進行中だ。90億円で平成28年度中の完成を目指している。

 東日本大震災前から防潮堤建設の話はあったが、地区の住民たちは「海が見えなくなる」などと反対して頓挫。死者・行方不明者65人、流された住居など約700棟という震災の被害が建設計画を前に進めた。

 それでも高い壁が目の前に築かれると、賛成してきた住民からも、否定的な意見が上がり始めた。島崎さんもその一人だ。

 「津波が来たら逃げるしかねえんだから。どんな高さの津波が来るか分からないんだから、いくら高くしたってキリがねえ」

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