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【世田谷一家殺害事件 迷走の15年(下)】薄れる「特別な事件」 「ホシに必ず現場を案内させる」思いで保存続く現場も取り壊しの危機

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【世田谷一家殺害事件 迷走の15年(下)】
薄れる「特別な事件」 「ホシに必ず現場を案内させる」思いで保存続く現場も取り壊しの危機

事件の現場になった宮沢みきおさん宅。老朽化による外壁の崩落防止のため、周囲に防護ネットが張られている=21日、東京都世田谷区上祖師谷

 ■遺族の思い変わらず

 遺族の思いは15年たっても変わらない。宮沢さんの母、節子さん(84)は眠りに就く前、自宅のカレンダーの日付に斜線をひく。夫の良行さんが24年に亡くなり、今は1人暮らしだ。「犯人が見つからないまま、今日も終わってしまった、と。なぜ殺されなければならなかったのか、真相が知りたい」。小さい体を丸め、か細い声で訴える。

 解決への思いは現場の捜査員も同じだ。捜査本部を指揮する野間俊一郎管理官(54)は、新たに本部に加わった若手捜査員に、犯人がつけていた香水をかがせる。日常のふとした瞬間に、同じ香水をつけている人物に接触する可能性があるかもしれない。そんな思いがある。

 「遺族の無念を晴らし、事件解決を実現できるのはわれわれしかいない。だが、15年が過ぎようとしている現在まで、結果が出ていない事実は重い」(野間管理官)。迷走を乗り越え、解決する以外に答えはない。

 

 この連載は荒井敬介、中村翔樹、三宅令が担当しました。

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