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【世田谷一家殺害事件 迷走の15年(中)】「結局何も分かっていない」 捜査員ごとに異なる犯人像

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【世田谷一家殺害事件 迷走の15年(中)】
「結局何も分かっていない」 捜査員ごとに異なる犯人像

世田谷一家犯人像など

 「混血犯行説」も浮上した。事件から6年近くたった平成18年、犯人のDNA型を統計的に分析した結果、父系がアジア民族に多い型、母系が地中海やアドリア海周辺の南欧系民族に特徴的な「アンダーソンH15」型だったことが判明。民族の交流の歴史から混血は古くはなく、ハーフやクオーターの可能性があるのだ。だがDNA型による混血犯行説は、これまで公式に発表されていない。「公表していたら情報が多く集まっていたかもしれない」と元捜査幹部は漏らす。

 ◆情報小出し

 外部への情報提供も、犯人しか知りえない「秘密の暴露」を懸念するあまり、捜査本部は慎重だった。

 実際、遺留品などの情報は節目ごと小出しに公表されてきた。昨年、捜査本部はマウスの落下によりパソコンが誤作動した可能性を明らかにした。パソコンの作動時間から犯人は朝まで現場にとどまったとされてきたが、この推定も崩れ去った。“迷い”の影響は随所で露見している。

 新たな可能性が出てきては、犯人像や犯行態様が変節してきた15年。犯人の目的はおろか、侵入経路が「2階風呂場の小窓」なのか「玄関」なのかさえ、いまだに判然としていない。

 元捜査幹部は言う。「結局何も分かっていない。事件を解決しない限り、犯人像は机上の空論でしかない」

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