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【世田谷一家殺害事件 迷走の15年(上)】指紋偏重 失敗した初動捜査 「鑑」と「地取り」おろそかに

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【世田谷一家殺害事件 迷走の15年(上)】
指紋偏重 失敗した初動捜査 「鑑」と「地取り」おろそかに

 ETC(電子料金収受システム)もない時代。高速道路では通行券が使われ、電車なども切符の利用が一般的だったため、それらに付着した指紋も照合した。これまでに集まった指紋は、膨大な数に上った。

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 犯人に直結する指紋。だが、指紋が出たことで捜査は逆に混迷することになる。元捜査員は「指紋やDNA型があれだけしっかり取れている事件は珍しい。そこに注力してしまったのは仕方ないことではないか」と話すが、指紋があることで、本来重視すべき「鑑(かん)」と「地取り」の捜査が十分にできなかったというのは事実のようだ。

 「鑑」とは被害者の周辺者や顔見知りなどの捜査で、捜査本部員でもエース級が投入される重要なものだ。「地取り」は現場周辺の聞き込み捜査を指す。

 何が起きていたのか。当時を知る複数のOBによると、鑑の捜査員は事件発生当初からしばらくの間、タクシー運転手を当たって乗客に不審者がいなかったかなどの捜査に追われた。犯人は手にけがをしていたとみられたことで、「けがをした男」を見つけることが優先され、鑑の捜査員が本来すべき周辺者捜査は後回しにされた。「一番重要な鑑の捜査がおろそかになっていた」(捜査1課OB)。

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