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【産経抄】創立者もあきれる 11月11日

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【産経抄】
創立者もあきれる 11月11日

 皇后さまがこよなく愛される詩人の一人、故竹内てるよに「あめ玉」という作品がある。「来客のもって来て私にくれたあめ玉をもらって しゃぶったばかりを祖母に呼ばれ それを口から出されてとられてしまふ」。

 ▼祖母は、べたついたあめ玉をわざわざ袋にもどして、返しにいった。幼いてるよに、物をもらうのは「わいろ」になると、諭すのだった。てるよを生後すぐに引き取った祖父は、判事だった。判事に限らず、法律に携わっている人たちは、金品の授受に関して、少なくとも平均以上の倫理観の持ち主に違いない。

 ▼そんな思い込みが、吹っ飛んでしまった。日本大学の77歳の名誉教授が約10年前、指定暴力団山口組の元幹部から2千万円を借りていたことがわかった。しかも、返済していない。名誉教授は、日大法学部で国際法を専攻し、問題が発覚するまで、大学院で英米法などを教えていた。国の機関に対する国民の苦情について、相談に応じる公的な仕事にも就いている。

 ▼日大の前身は、憲法発布の年の明治22年に誕生した、日本法律学校である。創立者で、初代の司法大臣でもあった山田顕義(あきよし)は、あきれはてているだろう。吉田松陰のまな弟子だった山田は、師が獄につながれる直前に、扇に漢詩を揮毫(きごう)してもらった。

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