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【貳阡貳拾年 第7部 犯罪新時代(5)】金融市場 人工知能に盲点

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 「この10~20年で市場を舞台にした犯罪は大きく変貌した」。証券取引等監視委員会幹部は振り返る。

 かつて株式や商品先物の流通市場で、仕手筋らによる相場操縦が横行したが、この10年で増加傾向にあるのは上場株式の発行市場における「不公正ファイナンス」だ。いかがわしいファンドなどが、業績や資金繰りが悪化した上場会社を「箱企業」として悪用。架空増資で市場をだまして新株を売却、利益を得る。

 従来、架空増資には公正証書原本不実記載罪など個々の法令で摘発してきたが、平成19年に検事出身の佐渡賢一(69)が監視委委員長に就任すると、金融商品取引法の偽計罪を適用。21年以降、「箱企業」を次々と摘発していった。

 偽計は相場の変動などを図る目的で行う詐欺的な行為を指す。佐渡は「偽計の概念を使わないと、背後でスキームを描く悪いやつを摘発できなかった」と語る。

 しかし、市場ではシステム同士のだまし合いが激化する様相で、「AIが加われば、自然人を想定している現行の金商法では対応しきれない可能性」(監視委幹部)も危惧されている。

 25年9月25日午後2時59分30秒。香港の資産運用会社が取引終了までの30秒間に、東証1部上場株を次々に約556億円分買い付けたため株は急騰した。運用会社は不正に株価をつり上げたとして、金融庁から約4億円の課徴金納付命令を受けたが、約105億円の売買益を得たとされる。

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