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【貳阡貳拾年 第7部 犯罪新時代(1)】司法取引、取り調べに変革 可視化で増えた黙秘「引き換えに導入」

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 一方、検察官から在米日本大使館に出向中、現地で司法取引を目の当たりにした弁護士、堀田力(つとむ)(81)は、日本にも導入は必要との立場だ。

 「共犯者に上下関係があり、下が上を恐れて真実を話せない時に司法取引は真価を発揮する。今は摘発できていない大規模汚職や組織犯罪の黒幕を暴き、まじめに働く人が損をしない社会にすることができる」

 加えて、捜査や審理に費やされる時間が減り、司法プロセスが効率化される利点があるほか、逮捕後の勾留期間中に供述を引き出さねばならないという重圧がなくなり、厳しい取り調べも緩和されるという。

 冤罪の恐れについては、「嘘が発覚した場合、検察が偽証罪を徹底的に適用していけばいい」と説く。

 堀田によると、「日本の偽証罪は米国に比べ甘く、日本はいくつ嘘をついても一つの偽証罪としてカウントされるが、米国は偽証を繰り返せばその度にプラスされ、懲役100年という例もある」。このように、真実の自白を促す仕組みとして、偽証摘発の体制整備が同時に求められていると、堀田は指摘する。

 司法取引の導入は、大型事件摘発に光明をもたらすのか、それとも冤罪被害者や新たな罪を生むのか。功罪を慎重に精査する時期にきている。=敬称略

 日本の司法を取り巻く環境が大きく動き始めた。複雑化する金融犯罪、マイナンバー制度導入の影、少年法や裁判員裁判の対象年齢引き下げ論議、受刑者の高齢化と矯正政策…。2020年、犯罪や司法制度はどう変わるのか。

【用語解説】大阪地検特捜部の押収資料改竄事件 平成21年に大阪地検特捜部が着手した厚生労働省文書偽造事件の証拠品のフロッピーディスクを、特捜部の前田恒彦元検事が検察の構図に沿うよう書き換えた事件。22年9月に発覚。最高検は前田元検事を証拠隠滅罪で起訴したほか、大坪弘道元部長と佐賀元明元副部長も犯人隠避罪で起訴。いずれも懲戒免職となり、有罪が確定した。

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