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【貳阡貳拾年 第7部 犯罪新時代(1)】司法取引、取り調べに変革 可視化で増えた黙秘「引き換えに導入」

刑事訴訟法改正の主なポイント
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 20××年、東京・霞が関の東京地検。特捜部の取調室で検事が中年の男を見つめていた。片隅の黒い箱の中に収められた2台のビデオカメラは全身の挙動と表情の変化を見逃さず、卓上のマイクがその声を聞き漏らすことはない。

 男はある中央官庁の設備入札をめぐる汚職事件で、収賄容疑で逮捕された中堅公務員だった。

 確かに企業からカネは受け取った。しかし上司の局長も同社から接待を受け、便宜を図るよう男に命じたのも局長だった。

 男は逮捕されたが、証拠が不十分だった局長は逮捕を免れ、その官庁は「男の個人的犯行」としている。怒りを覚えたが、局長の耳打ちが頭をよぎった。

 「俺の関与を黙っていてくれれば、お前の家族の面倒はみる。出所後には職と謝礼を約束する」

 黙秘を続ければ家族は安泰…。男がそう考えていると、検事が言った。

 「局長の関与を証言していただければ、あなたを起訴猶予にできますよ」

 司法取引か-。男は息をのんだ。刑務所に行かずに済めば自分で家族を養える。黙考した後、口を開いた。「弁護士を呼んでください。検事さんに従います」。自白した男は起訴猶予となり、局長は収賄罪で実刑となった。

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