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【東日本豪雨】牛舎水没、144頭死ぬも…再起誓う 茨城・境町の「常陸牛」生産者

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【東日本豪雨】
牛舎水没、144頭死ぬも…再起誓う 茨城・境町の「常陸牛」生産者

近くにある別の牛舎に避難している柴崎哲夫さんの牛=茨城県境町長井戸(桐原正道撮影)

 東日本豪雨では、鬼怒川の堤防が決壊し、町全体が濁流にのみ込まれた茨城県常総市以外の地域でも大きな被害がもたらされた。同県境町では牛舎が水没し、肉牛144頭が死んだ。これらの多くは「常陸牛」と呼ばれる同県のブランド牛で、被害金額は約2億5000万円に上る。10日で豪雨被害から1カ月。牛舎を営む畜産家は甚大な損害に打ちのめされながらも、再起を誓っている。(桐原正道)

 9月10日、鬼怒川の決壊現場から約20キロ離れた境町長井戸では、畜産業「シバサキ」の牛舎近くを流れる用水路があふれ、牛舎は早朝から浸水した。社長の柴崎哲夫さん(58)は「朝5時半ごろに様子を見に行ったら、もう50センチぐらい冠水していた。牛を逃す暇もなかった」と振り返る。

 その後、近くの宮戸川も決壊。最終的に牛舎は約3メートル50センチの高さまで水位が上がり、敷地内には215頭の肉牛「黒毛和種」が取り残された。このうち約9割が、茨城県のブランド牛「常陸牛」として出荷される予定だった。

 10日午後、被害を聞きつけた町内の知人が水陸両用車で駆け付けた。泥水に浮いていた牛をロープでつなぎ次々と救出。13日までに全てを運び終えたが、既に100頭以上が命を失っていた。その後も衰弱した牛約30頭が死に、生き残ったのは71頭だけだった。

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