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【御嶽山噴火1年】生還女性が初めて語る「あの時」 「焼け死ぬのか、溶けるのかな…」

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【御嶽山噴火1年】
生還女性が初めて語る「あの時」 「焼け死ぬのか、溶けるのかな…」

山頂付近で石造りの台座に寄りかかり救助を待つ女性。右手を小さく震わせ、助けを求めた=2014年9月28日午前11時31分、御嶽山(本社チャーターヘリから、大山文兄撮影) 山頂付近で石造りの台座に寄りかかり救助を待つ女性。右手を小さく震わせ、助けを求めた=2014年9月28日午前11時31分、御嶽山(本社チャーターヘリから、大山文兄撮影)

 長い時間を費やして移動し、台座を背にしたころには日が沈みかけていた。台座周辺には別の男性が一人いて、携帯電話で通話していた。相手は家族だろうか。「今噴火にあって、ちょっと無理かもしれないけど、俺は絶対に帰るから」。そう告げていた。

 夜になるにつれ風が強くなり、標高3千メートルの過酷な環境が女性たちを襲った。女性は日が暮れる前、台座の前を歩いて通り過ぎようとした男性に頼み、ザックの中からダウンジャケットと簡易テントを出してもらい、防寒対策として体に巻きつけていた。

 ふと携帯電話をみると、一緒に登っていた友人から何度も着信があった形跡があった。友人は無事だったんだ。少しだけほっとして折り返し電話を掛けた。

 周りが暗くなる中、ただ寒さに耐えた。長野地方気象台によると、標高1千メートル付近にある御嶽山麓の開田高原で噴火翌朝の最低気温は6・6度。女性が一夜を過ごした標高3千メートル付近は氷点下だったことが想像される。過酷な環境に耐えられたのは、携帯電話から聞こえた友人の励ましの声だった。「私がここで死んだら友人はきっと自責の念にかられる。だから生き抜こう」。勇気を振り絞った。

 救助されたのは噴火から丸1日が経過した28日午後0時半。台座の周囲にいた2人の男性は息を引き取っていた。山にゴミを残してはいけないと、テントやダウンジャケットはザックにしまった。

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