産経ニュース

【楢葉町避難指示解除】「今日が始まり」「希望は、ないね」 交錯する住民らの思い

ニュース 事件

記事詳細

更新

【楢葉町避難指示解除】
「今日が始まり」「希望は、ないね」 交錯する住民らの思い

避難指示が5日午前0時に解除された福島県楢葉町。避難先のいわき市から帰宅し除草作業を行い、妻のシゲコさん(76)さんとともに休憩する米農家の山内忠良さん(78)。原発事故の影響で農作物が作れないなか、先祖代々の土地を守り続けるという=5日福島県楢葉町 (大西正純撮影) 

 だが、あかりさんらは戻らず、一緒に過ごせるのは週末だけ。原発事故当時、2歳だったあかりさんに楢葉の家の記憶はほとんどない。「ここで過ごしたんだよって言っても、仮設が本当の家って言うんだよ」

 ■「スタートにしては寂しいな」

 「正直なところ、解除はピンと来ないな」。町北部に自宅のある無職の男性(69)は力なく、つぶやいた。

 避難指示の解除に先立って4日夜に行われた灯籠に火を灯す記念イベントの会場に妻(67)と2人で足を運んだ。夫妻はすでに、故郷に「戻らない」と決断している。

 「どれぐらいの人が来るのか見たくてね。でも、これじゃあな。スタートにしては寂しいな」

 福島第2原発にほど近い自宅は東日本大震災で半壊。震災直後は修復して故郷に戻るつもりだった。原発事故で避難し、現在はいわき市内の仮設住宅で母親と3人で暮らす。楢葉町の自宅は「ねずみにやられて住める状態じゃない」といい、解体することを決め、いわき市に新居を建てた。

このニュースの写真

  • 「今日が始まり」「希望は、ないね」 交錯する住民らの思い

「ニュース」のランキング