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4年5カ月ぶりのふるさと生活「にぎわい取り戻して」「実際の生活は別問題」 楢葉町の避難指示解除方針

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4年5カ月ぶりのふるさと生活「にぎわい取り戻して」「実際の生活は別問題」 楢葉町の避難指示解除方針

福島県楢葉町の行政区長会議で意見を述べる出席者=17日午後

 東京電力福島第1原発事故によって全住民の避難を余儀なくされた福島県の7町村のうち、楢葉町に対し17日、初めて政府から避難指示解除の方針が示された。お盆前の8月中旬には4年5カ月ぶりにふるさとでの生活が始められる見通しだ。復興が進むとして喜ぶ住民がいる一方で、今後の不安や複雑な心境を訴える声も上がった。

 「解除が遅れればもっと帰る人が少なくなる」。いわき市に避難する60代の男性会社員は、今回の方針を活気ある町づくりの第一歩として期待を寄せる。「町の復興をどんどん進め早くにぎわいを取り戻したい」

 しかし、会津美里町の仮設住宅に避難している男性会社員(63)は、商店や病院など、かつての生活基盤が確保されるのかも不透明な状態を懸念する。「除染が終わりインフラも整って住めるというが、実際に生活するのはまったく別の問題だ」

 いわき市に避難する安島琢郎さん(75)は、東京で暮らす孫らが泊まりに来る環境を整えようと、約2年前に同市に自宅を建て、生活拠点を移した。「(楢葉町の)線量は高いレベル。われわれはいいが将来ある子供たちを戻したいという環境ではないのではないか」とした上で、「いずれ戻りたいが、まだ選択はできない」と語る。

 平成24年8月に楢葉町が避難指示解除準備区域へ再編された際、除線作業車のためだと要請され、町内でガソリンスタンドを再開した結城定一さん(63)からも不安の声が漏れる。

 現在、ガソリンスタンドの利用は除染関係ばかり。「たまに片付けの住民も訪れるが、ほとんどが帰還の選択はしないと言っている」という結城さんは、「元のにぎわいを取り戻すことは本当にできるのだろうか」とため息をついた。

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